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《報告》第212回地域ネットワーク勉強会を開催しました

報告212勉強会(1)◆日 時:平成27年9月28日(月) 午後7時~午後8時45分

◆テーマ:「見えない障害、高次脳機能障害とは」

◆講 師:茨城県立リハビリテーションセンター 高次脳機能障害者支援コーディネーター
             高橋由紀氏(社会福祉士、精神保健福祉士)

◆参加者:30名

今回の勉強会テーマは「高次脳機能障害」。障害の特性や本人への関わり方、支援方法などについて、茨城県立リハビリテーションセンターの高橋由紀さんにお話をいただきました。
高次脳機能障害とは、脳が部分的に損傷を受け、言語・思考・記憶などの機能に障害が起きた状態で、その原因は、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)や脳外傷(交通事故、転倒など)、その他にも脳炎、低酸素脳症、脳腫瘍などがあります。記憶機能に障害が起きるというと認知症ではないかと思いますが、その違いは、認知症は徐々に進行していくのに対し、高次脳機能障害は進行性はなく回復する部分があるという点です。

高次脳機能障害の代表的な症状と支援方法

注意障害

集中力の持続やたくさんある情報の中から必要な情報だけを選択することが困難なため、集中しやすい環境を作り(静かな環境、簡単な課題から始める)、一度に多くのことをしない(ひとつずつ順番通りにできるように作業メモを作成する)。また、こまめに休憩を取り、頻繁に確認し注意を持続させることが大切です。

左半側空間無視

大脳に障害を受けると、目は見えているのに脳で視覚情報を処理することが出来ないため半分の空間を認識できなくなります。左側の食べ物を残す、左側にぶつかる、歩行の際に右側に寄っていくなどの症状があるため、チェックをするときは左上から下へ、左側に○をつけてから始めるなど、左側に注意を向けると上手くいく体験を積み重ねることが大切です。

記憶障害

今日の日付や自分のいる場所がわからない、作業中に声をかけられると何をしていたか忘れてしまう、人の名前や作業の手順が覚えられないなどの症状があるため、情報は具体的に簡潔に伝える、文字や絵に描いて提示する、物の置き場所を決めて忘れないようにするなどの工夫が必要です。

遂行機能障害

自分で計画を立てられない、物事の優先順位をつけられない、間違いを次に生かせないといったことができないため、できる範囲で無理をしないこと、決断しやすいように選択肢を提示したり作業の手順表を用意すると行動しやすくなります。

社会的行動障害

周囲への無関心、無為無欲、情動の平板化、固執などがあるため、本人にできることを役割と設定し、できたことを具体的に褒めることなどが有効です。

 

『まだまだ高次脳機能障害に関する支援や周知については不足している。生活の場である住み慣れた地域で安心して暮らすことが望ましいため、医療の段階から生活や生きがいを目指した地域生活や社会参加への移行を目指し、地域生活を具現化するための支援体制作りを積極的に実施していきたい』と高橋さんからお話がありました。

★県立リハビリテーションセンターへの問合先は下記まで↓
 茨城県笠間市鯉淵6528-2
 専用相談電話:0296-78-2605(平日午前9時~午後5時まで)

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。

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