《報告》第169回地域ネットワーク勉強会を開催しました。
日 時:平成24年2月18日(土)午後2時~午後4時(参加者34名)
テーマ:『これからの成年後見活動にどう向き合うか』~専門職後見人としての社会福祉士への期待~
【シンポジスト】
滝口康子氏(社会福祉法人ひだまり会)
稲嶺裕子氏(NPO法人スペース空)
名雪 義一(神栖市社会福祉協議会)
【コーディネーター】
橘田 勝(神栖市社会福祉協議会)
今回、ご登壇頂いたシンポジストの皆さんは、日常の仕事とは別に後見活動を行われております。
社会福祉士資格を活かしたい、社会貢献のため、自身のスキルアップを図りたい、人の役に立ちたいなど…後見活動を始めるきっかけは様々ですが、『一人でも多くの社会福祉士(仲間)が専門職として、もっと気軽に後見人を引き受けられるような社会にしたい』との思いは一致しているように感じました。
成年後見制度の申立を必要とする方々は年々増加傾向にあります。特に資力の乏しい被後見人への後見候補者については、社会福祉士による第三者後見が期待されております。後見人候補者不足は社会的な課題であることは確かですが、今回のシンポジウムでその解決の糸口が少し見えた気がしました。
☆チーム支援・ネットワーク支援が必要
成年後見制度は後見人が選任されると、被後見人に関わる物事全てが後見人に委ねられる…と思われがちですが、実は後見人一人でできないことのほうが多いです。被後見人に関わる支援関係者を一つのチームと考え、そのチームを本人のためにコーディネートすることが、後見人の最大の役割かもしれません。
☆被後見人の死後の実務や医療同意など後見人の権限外について
制度上では、「被後見人が死亡した場合は、後見人としての役割が終了する」、「手術や治療への同意はできない」となっていますが、実際にはこれらを求められることもしばしば…。でも、チーム支援と同じ考えになりますが、日頃から支援関係者とのネットワークの中で‘こんなときどうする’と話し合っておくことで支え合いと協力し合える体制ができ、被後見人の権利侵害を多面的に防ぐことができると感じました。シンポジストの事例にもありましたが、「市役所の担当課が迅速に処理してくれた」「疎遠の親戚が最後は協力してくれた」ことが現実にあったようです。
☆後見人報酬付与について
前述したように、社会福祉士の関わる被後見人は資力の乏しい方々が多いことや親族関係が希薄なこと、更には、福祉職ならではの自己犠牲感などから報酬付与の申立てがしづらい傾向にあるようです。後見活動は決して「報酬」といった収入だけを目的に実施することではありませんが、専門職としての専門性や、弱い立場に居る人を最後まで見守っていく責任を担保するためにも、また活動する仲間を増やすためにも、報酬付与の申立てを行うべきだと感じました。そのために、成年後見利用支援事業等の活用を積極的に進め、比較的低く抑えられた報酬の基準となるものを国や裁判所等が明確に示す時期に来ていると感じさせられました。
後見人を受任することは、被後見人の人生を共に歩むパートナーになること。
考えれば考えるほどその責任を重く感じてしまいますが、今回のシンポジウムのように仲間と共に語り合い、情報を分かち合うことによって、「こうすればいいんだ」「自分でもできるかもしれない」と感じられることが後見候補者を増やす第一歩のように思えました。
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。
(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158
電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294
メールでのお問い合わせはこちら- 2012年2月24日
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