【報告】第257回地域ネットワーク勉強会を開催しました
◆日 時:令和元年6月20日(木)
午後7時~午後9時
◆テーマ:「発達障害研修から得られたもの」
◆報告者:飯田 聡 氏
神栖市社会福祉協議会 社会福祉士
◆参加者:53名
今回の勉強会は、茨城県社会福祉協議会が開催した2日間の「発達障害研修」を受講した本会職員飯田より、「発達障害研修から得られたもの」をテーマに乳幼児期の発達を見守る視点や、支援方法のポイントなどについての研修報告を行いました。
発達を見守る視点や支援方法のポイント
(1)運動面の発達は見逃さない
赤ちゃんの生命を守る上で重要な役割を持つ原始反射は、受胎後2週間の胎児「出現」からおおよそ生後2年くらいまでには「発達」し「統合(消失)」していきますが、発達障害特性を持つ子の多くには、原始反射が未統合で残存していると言われています。それにより、走るのが苦手、話すのが苦手、書字に時間がかかるなど姿勢保持や運動、学習、コミュニケーション等に影響が生じます。
(2)発達段階に合わせた環境作り
統合を促すには、(1)「触覚」…からだの部位を伝えながら動かしたりなでたりする→水遊び、砂遊び(2)「前庭感覚(バランス感覚)」「固有感覚(運動感覚)」…上下、前後の動きや揺れを感じたりする→トランポリン、すべり台、ころがり遊び(3)「身体認識力」「空間認知能力」…鉄棒、トンネルくぐりなどの感覚を刺激する遊びが有効とされています。
(3)日常生活能力の向上と確率を目標に
子どもの動きには4段階有り、第1段階-座位保持などのバランス機能、第2段階-鉛筆を握るなど指先の操作機能、第3段階-先生や黒板などを見る感覚機能、第4段階-やり方を考える、やる気や意欲が含まれた注意・思考の認知機能の段階があります。まず、第1段階が出来てから次へとステップアップすることが大切で、土台をしっかりと構築出来ないと次の段階でつまずきの原因になります。
(4)「どうしてできないの?」は厳禁!
家族や保育士などの支援者は、「どうして出来ないの?」ではなく、「どうしてこの動きになるのだろう?」という視点から子ども達と関わっていくことが大切です。
子どもの行動には「きっかけ」→「行動」→「結果」があり、周囲の大人は、「行動」に対する「結果」の部分をどのように接するかがポイントとなります。
例えば、おしっこがしたくてお尻をもぞもぞとする<きっかけ>→トイレでおしっこをする<行動>をとった際にお母さんや保育士にほめられた<結果>となった場合は、子どもは、「ほめられた」経験が自信に繋がり、他の行動もスムーズにできることがあります。
その行動が起こる前の状況と、その行動が起こった結果、周りがどのように対応したのかの観察を記録し、関わり方を繰り返し確認・検討することが、子どもの生活のしやすさに繋がります。
報告者の飯田より「子ども1人ひとり性格や生活環境が異なるため、ある子どもに上手くいった支援が他の子に対しても成功するとは限りませんが、支援の方法や家族への対応については一人で抱え込まず、周囲の方や支援者同士、各種専門機関と相談し、その子に合った支援を考えていくことが大切です。神栖社協では、平成17年度から発達障害療育者研修やスキルアップ講座を開催してきました。今年度は第9期発達障害療育者研修を予定しています。発達障害児の支援について一緒に考え、より良い支援体制や支援者間のネットワークをつくっていきましょう。」と締めくくられました。
神栖社協では、まだ社会資源の整っていない発達障害児や、精神障害者などの地域生活支援に、今後も寄り添い注力していきます。その様子はホームページや社協ニュースで発信していきます。
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。
(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158
電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294
メールでのお問い合わせはこちら- 2019年6月28日
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