社協職員レポート

★社協職員レポート ~ひきこもり家族相談~

神栖市社協では高橋ガクアジサイ眞利子心理療法士のアドバイザーと精神保健福祉士の国家資格を持つ職員で「ひきこもり家族相談(以下:家族相談)」を月1回実施しています。この家族相談では、本人(ひきこもり当事者:以下本人)にとって一番身近な支援者である家族に寄り添い、関わりによって本人に良い変化が生まれることを目的としています。

〖厚生労働省の定義によると、ひきこもりとは、「様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念」と定義されています。〗

 ひきこもり状態は、「近所のコンビニには行く」「家族との交流はあるが家からは出ない」「自分の部屋から出ない」など状況や背景は様々ですが、長期化すると家族やそれ以外の人と交流することが難しくなるといわれてます。

 寄せられる相談からは、「どうしたら働くようになるのか」「外に出すにはどうしたらいいか」など将来への不安から焦ったり、どうにもならないとあきらめたり、家族にとっても大変な心配事である事が伺えます。

 家族相談では、本人は自責感やいらだち、不安やあせりなどを抱え、社会や家庭で自身の役割を果たせていないことを気にして、家族が思い悩む以上に辛い思いをしていることを、はじめに家族へ伝えさせてもらいます。その上で誰よりも本人のチカラになれる家族が、前向きな気持ちで本人に関わり続けられるように、次のことにスポットをあててに支援しています。

(1)「環境を整えること」

 不安を抱える本人にとって家庭がなによりも居心地の良い場所として機能することが必要になります。本人がゆっくりとできる時間がもてるようにするために、家族ができる関わり方のいくつかを、個々の状況にあったものを一緒に考えます。

(2)「家族とつながること」

 本人が家庭でゆっくりすることができ、家族に対して安心感が持てると会話も増えます。対話がある関係性ができてくると家庭内で本人に担ってもらえる役割探しと実践の方法を提案します。家庭で役割があることは本人の自信回復に繋がります。

 家族相談を通じて、本人が動き出したいと意欲を持てたケースでは、就労準備支援事業など様々な社会資源による活動と連携して支援しています。

 何らかの理由で「ひきこもる」ことは誰にでも起こり得ることです。ひきこもり状況からの変化にはとても時間がかかり、人によっては数年かかることもあると言われています。けれども、本人が心から「安心・安全」と思える環境でしっかり休むことができ、理解してくれる人が側にいれば、回復に向かうことができると言われています。

家族相談は家族の思いに寄り添うことで、家族の本人への寄り添うことの大切さを、長期的な視点で伝えていきたいと思います。

<地域福祉総合相談センターO>

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