★社協職員レポート ~ジェノグラムの重要性~
神栖市社会福祉協議会(以下、神栖市社協)では、平成28年4月から「福祉後見サポートセンターかみす」を設置し、認知症、知的障害、精神障害を抱える方が、地域で安心して暮らし続けられるように「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」といった事業を通じて支援しています。現在、神栖市社協で法人後見受任をしている鈴木さん(仮名)を2年前に担当し、後見活動を通じて得られたものについてレポートします。
鈴木さんの財産管理において、毎月の生活費に関するものを主に支払っていますが、その他に少額の固定資産税を年に4回支払っていました。固定資産は亡くなった配偶者名義の不動産です。相続の確認をするため鈴木さんの配偶者(被相続人)の出生から死亡までの戸籍を請求し、ジェノグラム※を作成しました。
ジェノグラムは、神栖市社協における日々の総合相談でも、作成しています。複雑化した多問題世帯の相談時には、「必ずジェノグラムを作成するように」と、上司から助言を受けていました。私は相談記録を優先するあまり、後回しにしたりそのまま作成を忘れてしまったりすることがありました。
鈴木さんのジェノグラム作成をきっかけに、自身の祖先に興味が沸きジェノグラムに挑戦してみました。祖先を辿ることができた戸籍は、21通で約18,000円近くかかりました。戸籍は手書きの文字のため、役所の書いた人によっては、難解で読みづらく手こずりました。戸籍の記録を読み込んでいくと、家族それぞれの「出生」「婚姻」「離婚」「養子縁組」「死亡」といった人生の重要な記録や、太平洋戦争で出兵した親族の、亡くなった戦地の確認などもすることができました。完成したジェノグラムを実家の両親にも見てもらったところ、両親が幼い頃の記憶で、親族間のあやふやなつながりを、「あの人は、この家の人だったんだ」と素早く知ってもらうことができました。
今回、多くのジェノグラム作成を通じて、私はソーシャルワーカーとして恥ずかしながら、複雑化した世帯の情報をいち早く多くの人に理解してもらうには、「文字ではなく図」ということを身にしみて思いました。最後に、鈴木さんの後見活動を通じて、自身の祖先を調べるきっかけとソーシャルワーカーとして成長を与えてくれた鈴木さんに改めて感謝致します。
余談になりますが、自身の祖先で一番古い記録は、文化4年(1807年)3月7日生まれの六世祖(祖父母の祖父母の祖父母)、すぎさんでした。明治30年(1897年)12月1日にお亡くなりになり、江戸時代から明治にかけて90才まで生きていたことに、驚きと尊敬の念を抱かせてもらいました。
※家族関係を図式化したもので、家族構成やその関係性をわかりやすくした家系図およびマップです。
< 地域福祉総合相談センター Ka・Ka >
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- 2025年3月19日
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