社協職員レポート

★社協職員レポート ~「働いて母を安心させたい」という思いを支援~

 今回の職員レポートは、就労準備支援事業で支援し、障害福祉サービスの就労継続支援A型の就労へ繋がったBさんの事例について紹介いたします。

就労(男性)就労準備支援事業とは、生活困窮者自立支援法に基づき「家族以外の人と交流が少ない」「長く就労から離れている」など様々な理由から、今すぐの就労が困難な方に対して、6か月から1年かけ、一般就労に向けた基礎的なスキルや知識の習得などを支援する事業です。
就労継続支援A型とは、障害者総合支援法に基づき、障害や難病のある方へ雇用契約を結んだ上で都道府県の最低賃金が補償された働く機会を提供し、一般就労に向けた働くために必要なスキルや知識の向上などを支援する障害福祉サービスです。


 Bさんは40代の男性です。10年以上に渡り無職で同居する母親以外の人との交流が無く、母親の年金で生活していました。Bさんは、再就職を希望していましたが、過去に何度も人間関係が理由で退職した経緯があり、新たな就労に自信が持てなかったそうです。

 就労準備支援事業の利用に繋がったのは、「働いて母を安心させたいので、かみす社協ニュースで見た就労準備支援事業を利用したい。」と震える声のBさんからの一本の電話でした。Bさんと母親へ、訪問や社協窓口にて就労準備支援事業の説明や就労への思いを聞取り、利用当初、Bさんが家族以外の人とコミュニケーションを図ることがほとんどなかったことから、月2回の社協職員との定期面談を実施することから始めました。
 Bさんは、面談を重ねるうちに、小中学校の支援学級へ在籍していたこと、幼い頃から同年代とコミュニケーションがうまく図れていなかったことを打ち明けてくれました。また自宅へ訪問した際に母親より、これまで家族で支援してこれたことからBさんの障害者支援機関への相談をためらっていたと胸の内をお話しいただきました。Bさんや、母親の思いを聞取り、時間をかけて障害者手帳や障害年金、障害福祉サービスの制度を説明してきました。Bさんと母親から障害者制度の前向きな利用の意思を確認できたことから、申請及び利用に必要な精神科受診を調整しました。
 Bさんは、障害者手帳の取得や障害年金の受給を開始し、あの一本の電話から約1年6ヶ月後の今月、就労継続支援A型へ繋がりました。 

 就労準備支援事業は、Bさんのように「はたらきたい」という思いをサポートしております。具体的な支援内容は、個々の状況や目指す就労によって異なります。あせらずゆっくり自分らしい働き方を私たちとともに見つけてみませんか。
 神栖市社協では、生活での困りごとや不安を抱えている方々が自立して生活を送れるよう、生活困窮者自立支援事業にて、就労準備支援事業や家計改善支援事業住居確保給付金を実施しております。ご本人、ご家族、支援者からの相談をお待ちしております。

< 地域福祉総合相談センター S >

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