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《報告》第168回地域ネットワーク勉強会を開催しました

報告168勉強会(1)日 時:平成24年1月26日(木)午後7時~8時30分

テーマ:精神障害、こんなときどうする?~入院されている方への作業療法を参考に~

講 師:黒沼 誉 氏 (作業療法士/財団法人鹿島病院 精神作業療法科 科長)

参加者:17名

病院での作業療法は、主治医からの指示のもとで実施されますが、作業療法士からのアプローチは「病気に対する治療」というよりも「患者自身の持っている力を引き出す支援」であると、講師である鹿島病院の黒沼さんは語ってくれました。病院内で実際に行われている作業療法の様子や、「こんなときにこう考え、こう支援して、どうだった」など、具体例を多く交えた、とてもわかりやすい勉強会でした。

作業療法とは「Occupational Therapy(OT)」のことです

Occupationとは「職業」「占有」と訳されますが、労働、家業、学業や主婦業、趣味や余暇活動など、日常生活の中で自らの意志に基づいて行う全ての作業のことを意味します。病気や環境の変化により、このOccupationに支障が生じることがあります。これを作業機能障害と呼ぶそうですが、作業療法は、この障害からくる生活の制限をなるべく軽減し、患者さん自身が自分の力や役割、社会参加に向けた意志を確認・再発見していけるためのお手伝い(リハビリテーション)をしています。

鹿島病院の作業療法室では、書道や絵画、革細工や編み物、裁縫、プラモデル作り、パズル作成、ゲームやレクリエーションなど、様々なプログラムを用意し、患者さんの気持ちに合わせて提供します。

一見「単なる余暇活動では?」とも思えてしまう内容ですが、作業機能障害を抱える患者さんにとっては、それぞれの活動プロセスの中に、作業を終えた達成感や、制作物を誰かに使ってもらいたいという気持ちのめばえ、集団活動を通して自分の立場や役割を見いだすなど、患者さん自身が「今できること」「今後の社会参加に向けた道すじ」を発見・確認できる場面が盛り込まれています。こういった様々な場面を、患者さん個々の状況に応じて工夫したり、時には一緒になって活動に取り組みながら側面的な支援をしていくのが、作業療法士の皆さんです。

中には院内の作業プログラムに参加できず、一日中好きな音楽を聴きながら過ごす方、あるいはひとつの作業をいつまでも続ける方もいるそうですが、患者さんのとる行動には意味があり、自身の抱える病気や、その病気が引き起こすいろいろな症状と現実との折り合いをつけているところで、その様子を見守ることも大事な支援のひとつなのだそうです。

また、支援にあたっては患者さんの病状だけではなく「これまでの生き方」も含めた全体の人間像を把握する必要があり、そのためには患者さんとの信頼関係づくりがとても重要であること。患者さんに合わせて作業内容も変わり、また日々変化する患者さんの状態によってもプログラムを見直していくので、毎日が試行錯誤の連続だけれども、そこが作業療法士としてのやりがいでもある、という黒沼さんの締めの言葉に、この仕事の専門性と奥深さを感じました。

神栖市社協の事業のひとつ「精神保健デイケア」は、鹿島病院精神作業療法科の協力を得て現在実施することができています。神栖市社協とは普段から関わりの深い(大変お世話になっている)機関からの報告でしたが、今回、改めて「作業療法」について勉強することができました。

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このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。

(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158

電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294

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