≪報告≫第184回地域ネットワーク勉強会を開催しました
◆日 時:平成25年5月21日(火) 午後7時~午後9時
◆テーマ:発達障害のある子の理解と支援(後編)
『発達検査ってなあに? ~検査の種類と活用法~ 』
◆講 師:茨城県発達障害者支援センター 大野真裕氏(センター長/臨床心理士)
◆参加者:97名
『発達障害のある子の理解と支援』連続講座。前編、後編合わせて190名のご参加を頂きました。
今回の勉強会は【後編】。個々の発達を客観的に評価する発達検査の種類と検査結果の活用法をテーマに、発達検査から見る‘子どもの発達の見方’を茨城県発達障害者支援センターの大野さんにお話し頂きました。
発達検査は認知面・社会性・運動面などのいくつかの観点から子どもの発達の度合いを客観的に測定する検査です。発達検査の他にも知能検査など、その種類や方法は数多くあり、年齢や状況等によってその子に適した検査が選ばれるようになっています。
『診断』よりも『評価(アセスメント)』
診断結果からは、自閉症であるとか知的障害であるといったことはわかりますが、その人に具体的にどのような支援をしたらよいかはわかりません。しかし、評価結果からは、具体的な支援の手がかりを得ることができます。自閉症の人の支援が上手くいかない場合、多くは診断はあっても評価が十分になされていないという背景があります。評価に基づいて要因、背景を特定し支援方法を検討するという、一見面倒と思える手続きを踏んでいくことが、最も確実な方法といえます。
『フォーマルな評価』よりも『インフォーマルな評価』
フォーマルな評価とは、標準化された検査(田中ビネー知能検査、WISC-3など)による評価で、インフォーマルな評価とは、日頃の行動観察や親や関係者からの聴き取りによる評価です。発達検査は一つの検査で測定できる範囲は限られており、決められた内容の中で拾いきれない部分もあることから、実際には、インフォーマルな評価がとても重要で、個別的な特性やニーズを明らかにし、得意・不得意な所を把握するが、良い評価に繋がっていきます。
発達検査用具を説明する大野さん
アンケート集計結果(回収率91%)
【参加者内訳】(複数回答可) 【満足度】
・社協関係・・・・・2 ・大変良かった・・・・・・・・27%
・福祉関係・・・・14 ・良かった・・・・・・・・・・・・49%
・当事者家族・・・6 ・普通・・・・・・・・・・・・・・・・11%
・教育関係・・・・22 ・あまり良くなかった・・・2%
・保育関係・・・・35 ・未回答・・・・・・・・・・・・・・10%
・医療関係・・・・10
・行政関係・・・・・2
・その他・・・・・・・5
・未回答・・・・・・・1
研修会の感想(アンケートより抜粋)
- 子ども達の性格を理解しながらも保育の流れにその子をあわせようとする保育にギモンを持っていましたが、“評価する”という事が足りず、その子達のニーズに合わせていなかったと思いました。1人では行動を起こす事は難しいですが、少しずつ子ども達の為に出来る事は前向きにがんばっていこうと思いました。【保育関係者】
- 今まで知らなかった検査方法がたくさんあることがわかりました。日ごろのインフォーマル評価が大事なのだと思いました。【教育関係者】
- 発達障がいは理解されにくかったり、誤解を招く行動もありますが、見方を変えるだけで関わり方は変わることがわかりました。寄り添っていけるようにしていきたいと思いました。【福祉関係者】
- わかりやすい言葉で説明していただきありがとうございました。普段は成人の方と接する仕事ですが、明日からの臨床に生かせる内容でした。検査の大切さも再確認でき、より良い支援を考えていきたいと思います。【医療関係者】
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。
(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158
電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294
メールでのお問い合わせはこちら- 2013年5月24日
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