社協職員レポート

★社協職員レポート ~家族をサポート -ひきこもり家族相談- ~

職員レポートR3.11.O神栖市社協では精神保健福祉士の国家資格を持つ職員と高橋眞利子心理療法士のアドバイザーと一緒に「ひきこもり家族相談」を月1回実施しています。この相談では、本人(ひきこもり当事者)にとって一番身近な支援者である家族に寄り添うことで、本人に良い変化が生まれることを目的としています。本人は対人関係や挫折経験などの辛い出来事などで、自分の存在を肯定できない程自信を失っている方も少なくありません。そのため、ひきこもり状態の改善には「ゆっくり過ごせる時間」と「再び自信を取り戻せる関わり」が必要です。自信を失くした本人が他者に援助を求めるのは非常に難しく、変化を起こすことが出来るのは、一番身近な支援者である家族だと言われています。
ご家族は「返事もなく部屋で何をしているのかわからない」「何とか自分で生活してもらいたい」との思いがありますが、本人の状況・その時期によって家族の関わり方も変わります。

ひきこもり家族相談は、まず家族が元気になること、家族の本人への「言葉かけ」や「態度」、「環境づくり」などの【関わり方】を一緒に考える相談支援を行っています。

第258回地域ネットワーク勉強会で高橋心理療法士からお話し頂いた〈本人の段階的な心理状態と家族の関わり方〉をひとつの目安として紹介します。

  1. 絶望の時期
    ひきこもりの初期段階で、本人が孤立意識になり親子の信頼関係が途切れてしまっている状態。まずはゆっくりさせることが必要。
  2. 希望を持つ時期
    絶望状態からきぼうの灯りがともるように、親は一貫性を持って支える時期。家族から本人を思う気持ちを言葉で伝える。
  3. 意思を持つ時期
    ネガティブ(家族への恨み辛み)とポジティブ(家族への感謝)といった陰陽混合する時期(基本的にはネガティブ)。「申し訳なかったね。でも私はあなたが居てくれることが大事」と言い続ける。
  4. 目的を持つ時期
    心の中で湧き上がってくる「やってみたい」という欲求が出てくる。家族は本人を受け止め支えることが必要。温かい言葉をたくさんかける。
  5. 有能性の時期
    他者や集団の中に身をおくことで、勤勉に何かに取り組む時期。自分の優越感と劣等感のバランスに直面し葛藤している。家族は「自分(あなた)で良いんだ」と言い続け、本当の意味での自立に繋ぐ。
  6. アイデンティティ獲得の時期
    社会や他者からも、そんな自分(あなた)で良いと思われているであろうという確信を持つ時期。失敗してもそれでいいと体験させる。

家族が根気強く関わることによって本人の状況も少しずつ変わっていきます。家族は共感を持って本人に寄り添い、返事がなくても「おはよう」や「〇〇してくれてありがとう」などの温かい言葉をたくさんかけることが大切になります。

ひきこもり家族相談では、関わりによって変化した本人の様子を伺いながら、継続して家族が関われるように相談対応しています。

また、社協が行っている「生活困窮者自立支援事業」では、本人が自立に向けた意思を持ち始めた時期に、自立相談支援員が本人と一緒にプランを作成し、自立に向けた伴走支援を行っています。


<地域福祉総合相談センター O>

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